世界三大ピアノ(スタインウェイ|ベーゼンドルファー|ベヒシュタイン)専門店。

東京駅近く、日本橋にあるアクセス便利なショールームで、最高峰の輸入ピアノを豊富にコレクション。ピアノ販売もピアノ買取も全国対応。

ピアノなんでもコラムPiano Column

「ピアノはなぜ黒いのか」の著書でお馴染みのスーパーピアノアドバイザー斉藤信哉さんによる連載コラムです。

ヤマハとカワイの違いは?

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ヤマハとカワイの違いをご案内する前に、両メーカーの大きな共通点をお話ししましょう。
それは、共に「均質なピアノを大量に生産できる能力を持っているピアノメーカー」ということです。

ヤマハの創業以来の累計生産台数は約640万台。
カワイは約280万台で、ピアノメーカーでは世界第一位と第二位です。

ヤマハより半世紀も前に生産を始めたスタインウェイ&サンズ(アメリカ)は約60万台。
ベヒシュタイン(ドイツ)は約20万台。ウィーンの銘器ベーゼンドルファー(オーストリア)にいたっては1828年の創業以来、たったの5万台程度です。

このように世界三大銘器を生産するメーカーと比べてみると、日本の2大メーカーがいかに大量のピアノを生産してきたかがご理解いただけると思います。

では、ヨーロッパのピアノメーカーはなぜ生産台数が少ないのかというと、そもそも「大量に生産することを目指していない」からなのです。追求しているのはあくまでも音の良さであり、例えてみれば、あくまでも味の追求を第一とする一流レストランのような方向性です。

一方、ヤマハやカワイはファミリーレストランに近い方向性といえるでしょう。

誰もがなかなか納得する味と、それをどこの店でも均質に低価格で供給できることを目指しています。

では、同じように大量生産を目指すヤマハとカワイとでは、何が違うのでしょう。

まずは音についてですが、これは個々の好き嫌いの問題なので、あえて言及することは控えます。
ファミリーレストランでもガストの味とサイゼリアの味のどっちが好きかは、それこそ個々に違いますよね。

これと同じようなものと考えて下さい。

構造やメカニズムの点でもさほど大きな違いはありませんが、弾いたときの感触や音色はやや異なります。
どちらを良しとするかは演奏する方の好みですから、どうぞご自分で確かめていただきたいと思います。

次に、両メーカーの違いを知っていただくために、簡単にその歴史についてお話ししましょう。

ヤマハの創業者は山葉寅楠(やまは とらくす)、カワイの創業者は河合小市(かわい こいち)ですが、
それぞれ創業者の名字をカタカナ表記してその社名としました。

ヤマハの創業は1887年(明治20年)とされており、この年、浜松の小学校にあったアメリカ製のオルガンが壊れ、これを山葉寅楠が試行錯誤の末に修理したのをきっかけに、後に国産初のオルガンを製作しました。

そして1900年には国産初のピアノの製造に成功しています。
その後、1960年代の急速な経済成長で、ピアノの需要は大幅に増えました。時代が要求するピアノの台数を供給するには、従来の手造りに頼った生産方式では対応できません。

そこでヤマハがいち早く取り入れたのが、世界初のピアノの大量生産方式だったのです。

一方、河合小市は山葉寅楠のもとでピアノ製造や調律を学び、アクション部長などを務めましたが、1926年の労働争議をきっかけにヤマハを離れ、翌1927年(昭和2年)に河合楽器研究所を創立しました。

1951年には株式会社に改組し、ヤマハの後を追うようにカワイも量産体制を整え、ヤマハを猛追します。

消費者にとっての大量生産品のメリットは、均質な商品を低価格で購入できることです。

高度経済成長のもとでピアノは飛ぶように売れ、日本のピアノ普及率は世界でも類を見ないほどにまで伸びていきます。

こうしたヤマハとカワイの熾烈な競争の一方、浜松をはじめ全国にあった小規模のピアノメーカーは次々に撤退していきました。その数はおそらく300社に及ぶと言われています。

言うなれば、大型スーパーマーケットやショッピングモールの進出で、個人商店が次々に閉店していく、そんな例えが適当かも知れません。

さて、こうして国内で圧倒的な力をもったヤマハとカワイのピアノは、その後に全世界に向けても輸出されていき、不動の人気を確実なものにして、前述の通り現在では生産台数で世界一位、二位の実績を誇っています。

ヤマハとカワイの違いについては個人的な見解はあるのですが、あまり踏み込んでしまうとさまざまな支障やご意見があると予想して、敢えて差し控えさせていただきました。

最後に、誤解のないように一つだけ付け加えておきます。

両社を大量生産のメーカーだと強調しましたが、コンサートグランドピアノ、あるいはそれに類するフラッグシップモデルでは伝統的な手造り方式で製造し、あくまでも音の良さを追求していますよ。

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