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コラム:(3)スタインウェイの特許について
スタインウェイが取得してきた120以上の特許の陰には、大変重要な人物が存在します。1850年にスタインウェイ一家がドイツからアメリカに移住した際に一人ドイツに残ったのが一家の長男セオドア(独名テオドール)です。
セオドアは優れたピアノ技術者でしたが、ドイツに残った後もそれまでのスタインウェイピアノの改善に取り組みましたが、その協力者となった人物がドイツの物理学・生理学者のヘルマン・フォン・ヘルムホルツでした。
セオドアとヘルムホルツは互いに技術と知識、知恵をつき合わせて、それまで伝統的手法に頼っていたピアノの設計、素材、製造方法を見直し、科学的に研究しました。
その結果、次々とピアノの特許を取得していきますが、スタインウェイ社が取得した120以上の特許の約50%以上はセオドアによるものです。そして、そのセオドアによる特許の陰には、ヘルムホルツの多くの助言と協力があったのです。
「(4)素材(使用材料)」に続く
この記事の執筆者:グランドギャラリーピアノ研究チーム